所有権移転仮登記とは？目的・抹消手続きを解説 - 【宇都宮エリアの不動産売却】ハウスステーション

所有権移転仮登記とは、不動産の売買や相続など、所有権の移転手続きが完了する前に、将来の所有権移転を確保するために利用される制度です。
不動産売買に関わる方々にとって、仮登記の仕組みを理解することは、スムーズな取引を進める上で非常に重要です。
本記事では、所有権移転仮登記について解説します。

□所有権移転仮登記の目的とは？

所有権移転仮登記は、所有権移転登記ができない場合に、その権利を将来にわたって確保するために利用される制度です。
例えば、不動産の売買契約で、代金の支払いは完了したものの、売主が何らかの事情で登記手続きに協力できない場合や、売主が登記に必要な書類を紛失しているなど、すぐに所有権移転登記ができない状況が考えられます。

このような場合、仮登記をすることで、将来本登記ができるようになった際に、仮登記をした日にさかのぼって登記を行えるため、所有権の順位を保全できます。
具体的に見ていきましょう。

1: 所有権移転登記ができない場合の課題
不動産の売買や相続など、所有権の移転を目的とした取引では、通常、代金の支払いや相続手続きが完了した後に、所有権移転登記の手続きを行います。
しかし、様々な事情により、所有権移転登記がすぐにできない場合があります。

・売主が登記手続きに協力できない場合
・売主が登記に必要な書類を紛失している場合
・相続手続きが複雑で、所有権移転登記が遅延する場合

このような場合、所有権移転登記が遅れることで、様々なリスクが発生する可能性があります。

2: 仮登記のメリット
仮登記は、所有権移転登記ができない場合に、その権利を将来にわたって確保するための制度です。

仮登記をすることで、所有権の順位を保全できるというメリットがあります。
将来、本登記ができるようになった際に、仮登記をした日にさかのぼって登記を行える仮登記は、所有権移転登記ができない場合に、その権利を将来にわたって確保するための有効な手段と言えます。

□仮登記の抹消手続き

仮登記は、本登記が完了すれば抹消されます。
しかし、何らかの理由で本登記がされない場合や、仮登記のまま不動産を相続した場合などは、抹消手続きが必要になります。
仮登記の抹消手続きは、登記権利者と登記義務者による共同申請、仮登記名義人による単独申請、登記上の利害関係人による単独申請など、いくつかの方法があります。
具体的に見ていきましょう。

1: 抹消手続きの方法
仮登記を抹消するには、以下の3つの方法があります。

・共同申請: 登記権利者と登記義務者による共同申請
・仮登記名義人の単独申請: 仮登記名義人による単独申請
・登記上の利害関係人による単独申請: 登記上の利害関係人による単独申請

2: 抹消手続きに必要な書類
抹消手続きを行うには、以下の書類が必要です。

・登記済権利証または登記識別情報
・印鑑証明書
・委任状（代理人が申請する場合）
・その他、必要となる書類

3: 仮登記名義人が協力しない場合
仮登記名義人が抹消手続きに協力しない場合は、裁判などを経て抹消手続きを行う必要があります。
仮登記の抹消に関する裁判は、複雑な手続きを要するため、専門家のサポートが必要となります。

4: 仮登記と消滅時効
仮登記には消滅時効という概念はありません。
しかし、売買の予約のために仮登記を使っていた場合は、「予約完結権」という債権に消滅時効が適用されます。
また、「農地法による許可が出たら売買して所有権を移転する」という場合は、農地法の許可を得るために売主と買主が協力して申請する必要があり、買主には売主が許可申請に協力するよう請求する権利があります。

これを「許可申請協力請求権」と言います。
これらの権利は、一定期間で消滅時効にかかります。
そのため、仮登記を抹消する必要がある場合は、消滅時効が到来する前に手続きを行うことが重要です。

□まとめ

所有権移転仮登記は、所有権移転登記ができない場合に、その権利を将来にわたって確保するための制度です。
仮登記をすることで、将来本登記ができるようになった際に、仮登記をした日にさかのぼって登記を行えるため、所有権の順位を保全できます。