隣地高さ制限とは？計算方法や注意点も解説 - 【宇都宮エリアの不動産売却】ハウスステーション

隣地高さ制限は、建築設計において重要な要素の一つです。
土地を購入して家を建てたいと考えている方や、建築士の資格取得を目指している方は、隣地高さ制限について理解しておく必要があります。
この記事では、隣地高さ制限の計算方法や注意点について、分かりやすく解説していきます。

□隣地高さ制限とは？

隣地高さ制限とは、隣接する土地との関係で建物の高さを制限するルールのことです。
日照や通風を確保するため、隣接する建物の影が過度に及ばないように定められています。
隣地高さ制限は、建築基準法で定められており、違反すると建築確認が下りないだけでなく、罰金が科されることもあります。

1:隣地高さ制限の目的

隣地高さ制限は、主に以下の目的で設けられています。

・日照権の確保：隣接する建物が建物の影で日照時間が不足することを防ぎます。
・通風権の確保：隣接する建物が建物の影で風通しが悪くなることを防ぎます。
・景観の保全：隣接する建物が建物の高さがバラバラになることを防ぎ、良好な景観を保全します。

2:隣地高さ制限の種類

隣地高さ制限には、大きく分けて以下の2つの種類があります。

・斜線制限：隣地境界線から一定の角度で引いた線（斜線）を超えないように、建物の高さを制限します。
・高さ制限：建物の高さを、一定の高さ以下に制限します。

3:隣地高さ制限の適用範囲

隣地高さ制限は、すべての土地に適用されるわけではありません。
隣地高さ制限が適用されるのは、主に以下の用途地域です。

・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・田園住居地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
・用途地域の指定のない地域

□隣地高さ制限の計算方法

隣地高さ制限の計算方法は、用途地域や隣地との距離によって異なります。
ここでは、最も一般的な斜線制限の計算方法について説明します。

1:斜線制限の計算式

斜線制限は、隣地境界線から一定の角度で引いた線（斜線）を超えないように、建物の高さを制限するルールです。
斜線制限の計算式は、以下のとおりです。

H = (L + a) × S + H0

・H：建物の高さ
・L：隣地境界線からの距離
・a：後退距離
・S：斜線勾配
・H0：基準高さ

2:斜線勾配

斜線勾配は、用途地域によって異なります。
例えば、第一種中高層住居専用地域などの住居系用途地域では、斜線勾配は1.25です。
一方、商業地域などの非住居系用途地域では、斜線勾配は2.5です。

3:基準高さ

基準高さは、用途地域によって異なります。
例えば、第一種中高層住居専用地域などの住居系用途地域では、基準高さは20mです。
一方、商業地域などの非住居系用途地域では、基準高さは31mです。

4:後退距離

後退距離は、建築基準法で定められた、隣地境界線から建物を後退させる距離です。
後退距離は、用途地域や建物の規模によって異なります。

5:計算例

例えば、隣地境界線からの距離が10m、後退距離が2m、斜線勾配が1.25、基準高さが20mの場合、建物の高さは、以下のとおり計算されます。

H = (10 + 2) × 1.25 + 20 = 37.5m

この場合、建物の高さを37.5m以下にする必要があります。

□まとめ

隣地高さ制限は、日照や通風を確保するため、建物の高さを制限するルールです。
隣地高さ制限は、用途地域や隣地との距離によって計算方法が異なります。
建築設計を行う際には、隣地高さ制限をしっかりと理解し、適切な設計を行うことが重要です。