不動産を売却する際、得られる利益には税金が課されますが、特定の条件下では税負担を軽減できる特例があります。今回は、特に重要な「3000万円特別控除」とその利用条件に焦点を当てて解説します。
自宅(居住用財産)を売却した場合、譲渡所得から3000万円を差し引ける特例です。これにより、譲渡所得が3000万円以下であれば、実質的に税金がかからない状態になります。
譲渡所得にかかる税金は、以下の式で計算されます。
(譲渡所得 – 3000万円)× 税率 = 税額
もし譲渡所得が3000万円以下であれば、税額は0円です。3000万円を超える場合のみ、超過分に対して税率が適用されます。
なお、税率はその不動産を所有していた期間によって異なります。一般に、短期保有(5年以下の所有)の場合は高い税率が適用され、長期保有(5年超の所有)であれば低い税率が適用されます。
この違いは、不動産市場での投機的取引を抑制し、長期保有を奨励するための政策的配慮によるものです。所有期間が10年を超える場合、さらに低い税率が適用されることもあります。これは、長期間にわたって不動産を保有し、社会的にも安定した資産管理を行ってきた個人に対する、ある種の報奨と見ることができます。
3000万円特別控除は、前年や前々年にこの特例を適用していない場合のみ利用可能です。
そのほかにも、この特別控除を利用するために事前に把握しておくべき注意点をご紹介します。
自宅を売却して新居を住宅ローンで購入する場合、3000万円特別控除と住宅ローン控除のどちらかを選択する必要があります。
住宅ローン控除は、借り入れから13年間にわたりローン残高の0.7%相当額が所得税から差し引かれるものになるため、新たにローンを借りて買い替える場合は、どちらの控除がお得になるか試算した上で選択すると良いでしょう。
この特別控除の対象になるのは「 自宅」のみです。つまり、自分が住んでいる物件を売却することが基本的な適用条件になります。
ただ、すでに引っ越してしまっている場合も、住まなくなってから3年目の年末までに売却すれば適用可能です。
この間、自宅を賃貸に出していた場合も適用対象になります。ただし、人に貸している物件の売却は現在の利用者との間でトラブルになる可能性もはらんでいるため、慎重に進める必要があります。
また、自宅を取り壊して売却する場合であっても、取り壊し日から1年以内に売買契約を結び、3年目の年末までに売却することで特例を受けられます。
不動産売却における3000万円特別控除は、適切に利用することで大きな税負担の軽減につながります。自宅売却を検討している方は、これらの条件を理解し、最適な売却計画を立てましょう。
また、具体的な適用条件や計算方法については、不動産売却のプロフェッショナルや税理士に相談することをお勧めします。
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